Monday, March 27, 2006

 

GCAP報告集会報告

 28日14時から、世界社会フォーラム2006カラチ会場で、GCAP(Global Call Against Poverty)の報告会が開かれた。GCAPでは各地の地元NGOなどがアライアンスを組んで国連のミレニアム開発目標(MDGs)を達成するために活動している。今回は、劇的な経済発展の一方、多くの貧困層を抱えている南アジア地域各国と、開発に対する大きな困難を抱えたアフガニスタンから報告者が、ホワイトバンドをつけて登壇した。出入りが多かったので実数は定かではないが、参加者は常時30人程度、のべ60人ぐらいであると思われ、決して多数ではないが、質疑は活発に行われた。
 報告は、昨年世界中で行われたキャンペーンの概要を説明するとともに、各国アライアンスの体制についてや、その中でのMDGsに関連した試みが行われた。例えばインドなどでは、開発NGOだけではなく、労組や研究期間を含む極めて多様な団体による連合体制が組まれている一方で、MDGsがジェンダーやリプロダクティヴ・ヘルスの視点に弱いという批判から、多くの女性団体が参加を保留しているという(実際、連合の代表として登壇した人々もほぼ全員がその国の中高年男性であることに違和感を感じなくはない)。また、これまで数多くの貧困撲滅に関する国際的な宣言が行われたが、殆どがかけ声のみに終わったのに対して、MDGsとGCAPは、各地で十分とは言えないまでも着実な進展を見せているという事実が強調された。
 また、会場からは、MDGsが具体性を欠くので、もっと個別で具体的な目標を各自で設定していく必要があるという指摘や、そもそもMDGsが先進国が勝手に決めたものではないのかという疑念などが呈された。後者に関しては、講演者から、MDGsは中間目標にすぎず、GCAPは「MDGsプラス」を目指すものであるという応答があった。また、閉会後も会場には各国からの代表が残り、それぞれの状況について活発な情報交換を行っている姿が見られた。

 

日本の反戦運動に対する関心

 WSF 3日目の26日は、Action Aid Pakistan主催のYouth and Politics: The Role of Students Movement という企画に参加した。パキスタン、インド、ネパール、バングラデシュなどからの参加者がほとんどで、南アジア以外からの参加者は日本人のぼくとヨーロッパから来た若者の2人だけだった。南アジアの言語で話す人が非常に多く、前半はあまり理解できなかったのだが、ヨーロッパの青年が英語で発言した後は、英語での発言が多くなった。

 前半部分は、各国からの参加者が自国での学生による運動の紹介や問題点の指摘などをしていたようなのだが、途中から(誰かの発言を境にだと思うのだが)、イラク反戦運動の話になり、フランスの青年が持っていた写真集がきっかけでぼくも発言することになってしまった。その写真集は世界中の各都市でのデモの様子を見開きに集めたものなのだが、その中に日本の都市が入っていなかったらしく(実際には東京は含まれている気がするのだが)、「なぜ日本では反戦運動が起きないのか?」といった質問をされた。

 今回のWSFに一緒に参加している小倉利丸さんからもらった、3・18WORLD PEACE NOW(WPN) の写真付きの英語の呼びかけ文を持っていたので、スライドに写して、日本でもイラク反戦運動が起こっていることを説明した。各国の都市に比べれば小規模だが、日本の反戦デモの中では特に開戦前後はかなり盛り上がったのだ、ということを簡単に話した。

 日本がイラクに自衛隊を派遣しているということが多くの国で知られている一方で、日本の反戦運動については海外(日本でも)で報道されることはほとんどないようなので、WPNについて簡単にではあるが紹介できたことは良かったと思う。(そんぴゅん)

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